実はよく知らなかった…ワイヤレスの仲間たち
ワイヤレスについてのお話、第1回はワイヤレスの基本的なお話や無線、コードレスについてでした。
(※まだ読まれていない方はこちらのページをご覧下さい⇒「ワイヤレスって?無線やコードレスとの違いは?【はじめてのワイヤレス】」)
今回はワイヤレスの仲間たち、つまり通信用のコードが不要なものの中でもとくに身近にあるもの、よく聞くものを紹介したいと思います。
たとえば、パソコンやスマートフォンを使っている人なら必ず聞いたことがある「無線LAN」や「Wi-Fi」「Bluetooth(ブルートゥース)」といった言葉たちです。
さらに今回は一昔前に普及していた「赤外線」、最近人気の「テザリング」そして海外で主流の「NFC」と線がないのは同じだけど、どう違うんだ?といったものやその違いも併せてお話します。
では良く聞くけど、よくわからない「ワイヤレスの仲間たち」を一つ一つ解説していきたいと思います。
よく聞くけどあやふやなワイヤレスの仲間たち
すでにお話したように、ワイヤレスとは主に「通信」をコードといった線を使用せずに行う技術です。
この「ワイヤレス」は線がなくなって見た目がすっきりするだけでなく、さまざまな場面でその便利さを発揮している現代ではなくてはならないものです。
そしてその仲間たちの代表格が以下のものです。
私はこれらの言葉とはじめて出会ったとき、このような反応でした。
「Bluetooth(ブルートゥース)」?…「Blue」?青がどうしたんだろう?
「テザリング」?…手?リング?指輪みたいなアクセサリーだろうか?
「NFC」?ケンタッキーフライドチキン…は「KFC」か…ノンタッキーフライドチキン?
「Wi-Fi」?うぃ…ふぃ…?…うぃー?フランス語?
最後の二つは読み方すらあやしい状況です。
では早速見ていきましょう!
無線LAN
無線とついている通り「無線LAN」もワイヤレスの仲間です。
まず無線LANのLANとは「Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の省略で、訳せば「ある敷地内で構築されたネットワーク」という意味になります。
たとえば複数のパソコン上で同じデータを閲覧するとき。このLANのエリアに入っているパソコンであれば見られるという状況を作ることが可能です。
他にも社内すべてのパソコンと一つのプリンタをつなぐこともLANの利用によるものです。
ちなみにLAN同士をつなぐことでネットワークのエリアを拡大したものが「WAN」になります。規模だけでなく管理や運営がNTTなどの回線事業者やプロバイダという点も異なります。WANの一番の例がインターネットです。GoogleやYahoo!を使ってインターネットをするということはこのWANという大きなネットワークの中で、情報を共有し閲覧をしていることになります。
話をLANに戻し、このLANの通信コードが必要ないもの、それが無線LANということになります。
言葉から無線LANという機器があるようについ思われがちですが、最初にお話した通り、本来は無線LANという通信「技術」です。そのため「無線LAN買っといて~」は間違った表現ということになります。ただ昨今は「無線LANを無線LANルーター」という意味で使う方が多いので、あながち間違えではないかもしれません。
無線LANルーター自体は家や職場で無線でデータのやり取りをするために多くの人が使っていると思います。
本来ネットを利用するにはブロードバンドモデムやONUといったネットを使えるように信号を変換する機器一つでこと足りるのですが、モデムやONUの場合パソコンやスマートフォン一台につき一つのモデムが必要になります。
けれども現代ではさまざまな機器でネットします。パソコンはもちろん、スマートフォン、タブレット、更に最近ではテレビもネットにつなぐことが可能になっています。一台に一つのモデムならばいったいいくつ用意しなくてはいけないんだ!と思いますよね。
そこで出てくるのが「ルーター」です。ルーターは一台で複数の機器とネットをつなげることが可能です。
そしてこのルーターとワイヤレス技術が一体化したもの、それが「無線LANルーター」ということになります。
画像:日経トレンディネット
Wi-Fi
外を歩いてるとあらゆる場所に見かける「Wi-Fi使えます」というステッカー。あなたもみたことがあるのではないでしょうか?
いわゆる「Wi-Fiスポット」というものですが、このWi-Fiなぜこんなにも普及しているのでしょうか。くわしくお話したいと思います。
まず「Wi-Fi」とは先ほどお話した「無線LAN」とほぼ同じ位置にいるものです。
ただ厳密には違いがあります。
まず無線LANには国際標準規格というものがあり、その規格に合致するものつまり接続できるものに対して「Wi-Fi認証を受けたもの」それがWi-Fiと呼ばれるようになりました。
当初、無線LANを構築する機器が出たころはメーカーごとに接続ができるもの、できないものが出回りかつ、接続できるかどうかわかりにくいといったことがありました。
購入する身としては、買った機器同士が接続できないなんて許せるはずがありませんよね。
そこで登場したのが現在の国際標準規格(「IEEE802.11シリーズ」)無線LANを構築することができる機器にたいして「この機器は無線LANが可能ですよ」と認証されたものに対してつけることができるブランド名それが「Wi-Fi認証」でした。
結果、「Wi-Fi認証」により保証されている!と普及し、現在のほとんどの製品がWi-Fi認証を受けるようになりました。
ほとんどの無線LAN機器にこのWi-Fi認証がついていることからある意味では無線LANとWi-Fiは同じ意味として使われつつあります。
Wi-Fiはルーターといわれる機器の電波が届く範囲ならばさまざまな機器と無線でつなげることが特徴です。
そのため自宅でパソコンもスマートフォンもタブレットも全部ネットとつなげたい!というかたの多くはこのルーターによってWi-Fi認証を受けた機器による無線LAN構築をしていることになります。
Buletooth(ブルートゥース)
皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
青いマークとリボンを横にしたようなマークでおなじみかと思います。
「Bluetooth」と書いて「ブルートゥース(ブルーツース)」と読みます。
主に近距離での通信を行って、たとえばパソコンとスピーカーをワイヤレスでつなげたり、スマートフォンとイヤホンをワイヤレスでつなげたりといった方法で使用します。
つまり電話における親機と子機の関係と言えます。
親である本体(電話機)に付属させて使う子(電話の子機)をコードなしで使うための通信方法それが「Bluetooth」です。
近距離でのワイヤレス通信というと、赤外線を思い浮かべるかと思いますが、その違いは、通信距離です。
赤外線の通信距離が最大約1mなのに対して、Bluetooth(ブルートゥース)は約10m。さらに障害物に対する通信もBluetoothのほうが強くなっています。
またスマートフォンではこのBluetooth(ブルートゥース)ともうひとつWi-Fiも搭載されていることが多いかと思います。
この二つもやはり違いがあります。
まず消費電力の少なさはこのBluetooth(ブルートゥース)が圧倒的です。
しかし通信距離はWi-Fiと比べて短く、bluetoothは本来一つのものに対する一対一の通信を行います。
パソコンとスピーカーをつなぐ。
スマートフォンとイヤホンをつなぐ。
対して、Wi-Fiはルーターがありパソコン、スマホ、タブレットとさまざまなものとつなぐことが可能になっています。そのかわり消費電力は高くなります。
◇ 赤外線・Bluetooth・Wi-Fi
赤外線 | Bluetooth | Wi-Fi | |
---|---|---|---|
消費電力 | 少ない | 少ない | 多い |
通信距離 | 最大1m | 最大約10m | 最大約100m |
通信対象(親機 対 子機) | 一 対 一 | 一 対 一 | 一 対 複数 |
赤外線
すでに上の表でも出ている赤外線はテレビのリモコンなどに使われていることが多いですよね。
bluetooth(ブルートゥース)と違って、1m以下の近い距離で通信をおこなう必要があります。
またテレビのリモコンはまっすぐテレビに向けないと反応しないことがあったかと思います。このように対象にまっすぐと赤外線を向けないと反応しないことがあります。
テザリング
テザリングという言葉をみなさんはご存知でしょうか。
多くはスマートフォンなどにテザリングという機能が入っていますが、当サイトを見てくださっている方で使用している方はまだ少ないかもしれません。実はとても便利な機能なんですよ。
簡単に言ってしまうとテザリング機能が入っているもの(スマートフォンなど)をモデム代わりに使ってネットと接続しよう!という機能です。
本来ネットを利用する場合はプロバイダ(フレッツ光や)と契約してモデムやルーターを使いネットをつなげなくてはなりません。
外でネットを使う場合は、自宅や職場のモデムやルーターの代わりにモバイルルーターを持ち運んでいる人も多いと思います。
そんなときわざわざモバイルルーターを持ち運ぶ必要がなくスマートフォン一つでパソコンやタブレットでのネット利用が可能になるというのはなかなか良いことだと思いませんか。
このテザリング機能を使うにはスマートフォン側でオプションの追加や登録を行わなくてはなりません。
◆ソフトバンクの場合はプランによって有料か無料かが変わります。
データ定額サービスまたはパケット定額サービス | 月額使用料 |
---|---|
データ定額 20GB データ定額 30GB 家族データシェア 50GB 家族データシェア 100GB 法人データシェアギガパック(50)(100) |
※現在はキャンペーンによって2018年3月末まで無料 1,000円→500円(キャンペーン終了後の料金) |
データ定額ミニ 1GB データ定額ミニ 2GB データ定額 5GB データ定額S(4Gケータイ) |
無料 |
それ以外 | 500円 加入後2年は無料 |
◆auはソフトバンク同様プランによって有料無料が変わります。
データ定額サービス またはパケット定額サービス | 月額使用料 |
---|---|
データ定額 1 データ定額 2 データ定額 3 データ定額 5 データ定額 1CP データ定額 3CP データ定額 5CP シニアプラン ジュニアスマートフォンプラン カケホ(ケータイ) スーパーカケホ(ケータイ) VKプラン VKプランS VKプランM LTEプランS |
無料 |
データ定額20 データ定額30 U18データ定額20 |
1,000円 ※現在はキャンペーンによって2018年3月末まで無料 |
それ以外 | 500円 |
※記載しているプランなどの情報は各社の都合で変更になる場合があります。
◆ドコモの場合他社と異なりテザリング機能をオプションとして提供しているわけでなく、プランに含まれているようです。
以上がテザリングを利用するときの目安です。
月に500円程度で(2017年6月現在の場合は無料)で利用が可能ならぜひ使いたいところですよね。
ただし注意していただきたいのがテザリングにも通信制限がかかるということです。
またバッテリーの消費も気にすべき点です。
そのため常時テザリング機能を利用しネットなどにつなぐことはあまりおすすめしません。
バッテリー消費という観点ではテザリングのうちの一つ「USBテザリング」がおすすめになります。
テザリングには三つの種類があり、「Wi-Fiテザリング」「USBテザリング」「Bluetoothテザリング」があります。
接続速度 (通信速度) |
接続可能数 | セキュリティ | バッテリーの消費 | 追記 | |
---|---|---|---|---|---|
Wi-Fi テザリング |
中 | 複数 | 低い | 多い | ゲーム機も 利用可能 |
USB テザリング |
早い | 一台 | 高い | 少ない | 接続ケーブルや機器が必要 |
Bluetooth テザリング |
遅い | 複数 | 中 | 少ない | バランスが 取れている |
「Wi-Fiテザリング」は名前の通り複数の機器と接続ができるWi-Fiの特徴を持つテザリングです。ただしデメリットとしてバッテリーの消費が激しいです。
「USBテザリング」はさきほどおすすめした通りバッテリーの消費があまりなくスマホの充電も可能です。ただ、USBケーブルやUSBポートといった機器が別に必要になります。
最後に「Bluetoothテザリング」は複数同時に接続ができるなかバッテリー消費も比較的少ないといった特徴があります。けれども接続する速度は一番遅いです。
このようにさまざまな特徴があるため、利用する際は一度どのテザリングが自分に最適か考えることをおすすめします。
NFC
NFCは海外でメジャーなワイヤレスの一つです。主に電子マネーとして小額な決済をするなどの使い方があるようですよ。
「Near Field Communication」の略であるNFCそのまま「エヌエフシー」と呼び、近距離での通信を得意としています。
おなじく近距離でのワイヤレス通信仲間では赤外線がいますがこちらは基本的にかざして利用するのがおもな、数センチの超至近距離での利用となります。
一見して「おサイフケータイ」のようだと思うかたも多いでしょうが、少々異なります。
というのも日本の場合おサイフケータイはFelicaという技術が採用されているからです。
FelicaはNFCにない、セキュリティ機能やデータ管理といったICカード技術が盛り込まれています。さらには通信速度も早くSuicaなどの交通ICカードにも採用されるほどの早さが普及のきかっけです。
そのため日本ではNFCを海外のような電子マネー決済として利用することはほとんどありません。
ではなぜ日本でも完全になくならないのかと言うと、それとは別の利用方法でNFCが使われているからです。
たとえばBluetooth(ブルートゥース)には一度ペアリングといって、利用前に互いにつなげたい機器同士を認証させる必要あります。その際にこのNFCが大活躍するのです。
そもそもBluetooth(ブルートゥース)のペアリングはボタンを何秒間押す、特定の番号を入力する…と少々手間がかかります。
その場合にNFCは近くにあるBluetooth(ブルートゥース)可能機器を自動的にペアリング簡単に接続を可能にさせます。
さきほどお話したとおり、NFCは海外では普及しているということから、これから日本に波が来る可能性もありますよね。その場合、海外旅行中の買い物がスマートフォンでできるということもありえるのです。
以上6つが現在おもなワイヤレスの仲間と言えるでしょう。
ワイヤレス通信がいかに身近に多いか、おわかりいただけたかと思います。
これからさらにワイヤレス技術は進化していくことが予想されます。
とあるゲームのコントローラーがワイヤレスになった当時は私も感動しましたが、次はどんなものがでてくるのでしょうか。
ぜひ楽しみに見ていきたいと思います。
「無線LAN?Wi-Fi?Bluetooth?何がなんだか…を解決!【ワイヤレスの仲間を紹介】」まとめ
【ワイヤレスの仲間たち】
- 無線LAN:ネットワークをワイヤレスで構築したもの
- Wi-Fi:現在の無線LAN標準規格に合っているものが与えられるブランド名
- Bluetooth(ブルートゥース):近距離におけるワイヤレス技術、障害物を通過できる
- 赤外線:テレビのリモコンなどに多いワイヤレス技術、直線で反応する、障害物に弱い
- テザリング:スマートフォンをモデムやルーターがわりにして、そのほかの機器でネット利用を可能にする
- NFC:至近距離で利用するワイヤレス通信方式。かざして使用することでBluetoothのペアリングなどを簡単に行う